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第140回通常組合会 理事長挨拶
令和8年3月7日

本日は風が強くみぞれの降る大変荒れた天候の中、また皆様ご多用のところご出席をいただきまして、誠にありがとうございました。

さて、今年は昨年と異なり豪雪となりました。1月のほとんど毎日のように降り続いた降雪のため、雪よせで疲弊した方も少なくないと存じます。2月13日付けでの雪による秋田県の被害状況は、死者13人、重傷者81人、軽症者64人の計158人にのぼりました。屋根からの転落による死亡が多いようですが、雪国の宿命とはいえ、やりきれない気持ちになりました。また、昨年はクマ被害が急増いたしました。山間部ばかりでなく市街地や住宅街にも出没し、朝昼晩問わず被害が発生いたしました。秋田県では昨年人身被害は58件66人に達し、死亡者も4人となりました。全国のクマによる死亡者は14名でしたが、秋田県は岩手県の5名に次いで多い数字でした。クマ出没のニュースが国内外に報道されたことにより、秋田県の観光・宿泊産業や外食産業は深刻な打撃を受け、経済的影響を大きく受けました。また、ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピックが、2月6日から22日まで開催され、日本人選手が健闘し金メダル5個・銀メダル7個・銅メダルが各12個、合計24個と冬季では最多のメダル獲得数となり、国別ではノルウェー、アメリカ、イタリア、ドイツに次ぐ5位の成績でした。日本人女性の活躍が目覚ましかった大会となり、誇らしい気持ちになりました。
しかし、今年の7月は幸いにも、こうした大雨被害を受けずに済みそうであります。

さて、本日の組合会は令和8年度予算認定を中心にご審議をいただく予定となっております。議案書の11ページをご覧ください。昨年の第139回医師国保通常組合会で申し上げましたが、令和6年度の歳入歳出決算において単年度収支で1億1,830万3千円の黒字となり、決算残額は8億8,844万円を計上し、収支は引き続き安定しております。令和8年度の予算編成に当たっては、「子ども・子育て支援金制度」が創設されたことに伴い、子ども・子育て支援金分保険料を月額700円とし、本年4月から18歳以上75歳未満の被保険者を納付対象者として、新たに納付していただくことになります。また、歳入については、令和3年度の医師国保問題検討委員会からの答申に沿って、後期高齢者支援金分保険料と介護納付金分保険料を今年度から引き上げの予定でしたが、両者の月額保険料を積算したところ、現行保険料を下回っていることから、後期高齢者支援金分保険料は現行と同じ5,800円に、介護納付金分保険料は現行の6,500円から6,000円に引き下げることといたしました。今年は、いよいよ全医連の全体協議会が10月10日に秋田で開催される年となりました。令和2年に開催されるはずでしたが、新型コロナウイルス感染症パンデミックのため中止となり、今年は6年越しの仕切り直しの開催となります。費用につきましては、主に全国の医師国保組合及び当番ブロックの東北北海道医師国保組合と全医連が拠出しますので、当医師国保組合の一般会計への影響はほとんどないことをあらかじめ申し上げておきます。以上、よろしくご審議の程お願いいたします。

次に、「所得の高い国保組合」に対する定率国庫補助の削減・廃止についてであります。国庫補助率は従来32.0%であったものが、平成28年度から令和2年度にかけて、13.0%まで削減されました。この件につき、新たな動きがありました。昨年11月17日全医連の近藤会長が厚労省保険局唐木国民健康保険課長から、一定の水準に該当する国保組合への例外的な補助率(12%、10%)の適応について、連絡を受けたとのことです。この区分が適用される要件としては①保険料負担が軽い、②積立金が多い、かつ被保険者数が3,000人以上(経過措置)、③医療費適正化等の取組の実施状況が低い、の3項目全てに該当する場合のみ適応となっております。現在補助率が13%の区分に該当する組合は医師国保等の63組合であり、例外的に10%が適応される組合は9医師国保組合、引き続き13%が適応される組合は54組合となります。組合の平均所得が270万円以上の場合12%、280万円以上が10%となります。例外的に10%の補助率が適応される組合は、北海道、茨城、群馬、埼玉、神奈川、静岡、大阪、兵庫、奈良の9医師国保組合となっております。この件については、令和5年度または令和6年度の実績を基にした見込の数値であり、実際に令和9年度から適用される組合については、令和7年度実績を踏まえ、令和8年秋頃に確定予定となっています。早速、近藤会長は11月26日全医連第3回臨時理事会を開催し、日医、全協と連携をとりながら、関連部会で反対の意見表示をすることを確認しました。数字の上では、3%減とわずかですが、兵庫県ではこれが1億数千万円の減少となるとのことで、この件が現実になりますと影響はかなり大きいものと思われます。

理事長 福島 幸隆

次に、医師国保組合の合併(統合)について、ご報告申し上げます。医師国保組合の存続を脅かすものとして、被保険者数の減少、定率国庫補助金の削減や廃止、高額医療費が挙げられておりますが、医師国保組合の存続のために、昨年2月4日再度全医連から「医師国保組合の存続に向けたアンケート調査」が実施されました。将来の組合運営については、現状維持が23組合、組合の合併(統合)を検討したいが24組合でした。アンケートの結果を受けて、「合併検討チーム」の設置を検討する必要があるとする全医連国保問題検討委員会報告が5月30日にありました。同日開催された全医連第3回臨時理事会において、近藤会長は全医連に合併に向けた「プロジェクトチーム」を立ち上げたいと表明いたしました。昨年8月1日に全医連第20回代表者会が開催され、近藤会長が引き続き会長に選任されました。9月3日「医師国保組合の存続に向けたアンケート調査」で合併を検討すると回答した24組合を対象に、「合併プロジェクト委員会」設置説明会がハイブリッド形式で開催されました。この時に「合併プロジェクト委員会」の名簿が公表され、東北北海道ブロックから秋田県の私を含め合計7名が指名されました。同時に指名された委員の所属する医師国保の事務長6名が「ワーキングチーム」として紹介されました。9月17日に第1回合併プロジェクト委員会が開催され、鳥取県の清水理事長が委員長に選任されました。第2回は11月19日に、第3回は12月24日に開催されました。概要をご説明いたします。一言で申しますと、医療分保険料の水準を統一しない「段階的な統合」を目指すということであります。なぜかと言いますと、医療分保険料の水準を統一しますと、現行の医療保険料より高くなる医師国保組合は参加しない可能性が高くなるからであります。そのため、段階的な統合においては、標準保険料を設定し、各県の保険料水準(賦課方式)にて徴収する、そして各県ごとに歳入歳出決算を行い、翌々年度の保険料と相殺する、すなわち単年度収支を調整するということであります。他には、②残余財産については各支部に再配分し、処分等の権限を有する、③医師組合員、従業員組合員および家族の取得要件等の資格関係については、各県の規定・規則・内規に基づき運用する、④出産育児一時金、葬祭費、傷病手当金等の現金給付についても、各県の規定・規則・内規に基づき運用する、⑤特定健診・特定保健指導の料金は統一しない、⑥死亡見舞金および傷病見舞金の支給要件は統一しない、⑦独自の保健事業(既存のがん検診やワクチン接種等)を全て実施することを可能とする、⑧職員の処遇については、引き続き雇用することは可能との案でした。効果としては、概して現行保険料よりも安くなり、被保険者が現在と同じサービスを受けることが出来、職員の不安・負担を軽減できるとしております。多くの医師国保組合の参加を促すためには、今回示した段階的な統合案は魅力的と思われます。しかし、合併プロジェクト委員会の協議の中で、高額のレセプトが突然出てきた時、2年後に帳尻を合わせるというやり方であれば現在の全協の高額医療費共同事業と変わりはないのではないかという意見が出ました。これに対して、段階的統合であっても、高額医療費のレセプトが出た場合、本部が全て支払うことになるという回答がありました。医療保険料の徴収は各県に任されておりますので、高額医療費が発生した場合保険料の値上げは検討しなければなりませんが、今までのように喫緊の対処を迫られることはなくなります。

最後に、本年10月10日に開催予定の全医連第64回全体協議会の進捗状況について申し上げます。本年1月に参加予定者の予備調査を実施しましたが、冒頭にも申し上げた通り、秋田県のクマ被害の状況により、参加者数に危惧を抱いておりましたが、441名の参加者数となり、前年の福井で407名、2年前の長崎で374名より多くなっており、安堵いたしました。しかし、昨年秋田県ではクマ2,568頭(全国では12,659頭)を駆除したとは言え、今後雪解けとともにクマの活動がどうなるかは予測がつかないところであり、5月の本調査まで油断できない状況であります。協議会骨格部分のスケジュールは確定しておりますが、細部のつめはこれからになります。来秋された全国の皆様に満足していただけるよう、関係者と情報交換し、少しでも良い方向に持っていけるよう準備を怠らないようにしたいと考えております。準備の第一段階として、今月20日に東北北海道ブロック臨時協議会が開催予定であります。

今後とも、執行部は当医師国保組合の堅実な運営のために尽力して参りますので、引き続き皆様のご支援ご鞭撻をお願い申し上げて、理事長挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。