ごあいさつ

平成29年3月4日開催 第122回通常組合会理事長挨拶

理事長  大野 忠

3月に入ったとはいえまだ今日は寒いですが、ご多用のところご出席下さいまして有難うございました。

本日の組合会は平成29年度事業計画と予算の審議を主にお願いいたします。平成29年度の事業計画と予算案、さらに平成30年度に保険料賦課のための課税所得限度額をこれまでの3,000万円から5,000万円に改定する規約改正が提案されております。どうぞ慎重なご審議をお願いいたします。

さて27年度、28年度は超高額医療費の発生とその対策としての保険料引上げを中心とする対策に明け暮れたのですが、おかげさまで、29年度予算への繰り越しは28年度予算案より6,500万円ほど増えて約1億円の繰り越しが出来ます。保険料引上げにご理解とご協力を頂いた賜物で厚く感謝申し上げます。

27年10月の年度途中の保険料引上げとなった超高額医療費の問題は、平成26年度末に人工心臓埋め込みレセプト1件で2,400万円が出たことが引き金になって危機的な状況が認識されるようになったのですが、実はそれだけではなく、そのほかに稀な血液疾患1件が年間約4,000万円かかり、それが7年間続いていたことがありました。さらに、27年度はソバルディー1件、28年度はオプジーボ1件、ハーボニー1件があり、28年度はこれら超高額医療費でおおよそ約1億円かかりました。27年度途中での保険料引上げは皆様に大きな負担をおかけしましたが、その効果は大きく何とか資金不足を起こさずに28年度繰り越しが黒字まで持って行けたわけです。

昨年末にこの血液疾患の被保険者が退職されました。この血液疾患は非常に稀でして、推定患者数は全国で430人、約30万人に1例程度です。また現在の日本の人工心臓埋込み対象となるのは全国で年間228~670人(52~18万人に1人)、心臓移植は年間37人(370万人に1人)です。頻度から言えばそんなに症例が多いわけではなく、そんなに神経質にならなくともいいのではないかとも思われますが、お配りしている資料「平成27年度高額レセプト上位の概要」を参考にご覧ください。健保連は被保険者約3,000万人ですが、1か月1,000万円以上の超高額レセプト件数は年々増加しており、27年度は前年度比20.3%増、61件増の361件であり、500万円以上のそれは前年度比8%増、426件増の5,696件です。また疾患として多いのは循環器疾患が多いですが、その他先天性疾患、血友病、悪性腫瘍など、決して稀な疾患ばかりではありません。

今後のオプジーボやハーボニー或は臓器移植などその他の超高額医療がどの程度行われるかは分かりませんが、年間4,000万円の超高額者が退職したとしても、その分すぐに当国保の保険料を引き下げ得るかどうかは簡単ではありません。

今後の心臓移植、その他の超高額医療の発生、これまでの高額医療費共同事業の累積返還金の清算、さらに予備的な積立金を作らなければならない等課題は多い上、資料「過去5年間の歳出における特定財源の割合」のグラフのように全体的には保険給付費すなわち医療費が増加しているに関わらず、補助金は減少してきており組合の負担は加速度的に増えております。

そのため今後の課題に柔軟に対処できるよう保険料の賦課限度額を平成30年度には5,000万円までアップすることをお願いいたします。これにより所得3,000万円以上の高額所得者の方の保険料は市町村国保や協会けんぽの上限限度額を超えることも予想され、保険料は限界に達しているとは考えていますが、何とか今しばらく我慢を頂いて当組合の存続のためにご協力いただきたいと思います。

勿論このまま放置するという意味ではありません。全医連で5月に出される予定の「医師国保の将来について」の答申も踏まえて、私自身としては何らかの対策、特に当国保が発足以来ほとんど変更されていない構造的なあり方の検討も必要ではないかと考えております。それについては引き続き考えていきたいと思っております。

長くなりましたが、最後に全国的な状況を少し付け足しておきます。国の補助金32%が5年後に13%まで削減されることから、医師国保の経営(H27単年度赤字27組合)と保険料改定が限界に来ているとの認識は医師国保組合で全国的に課題となっており、各地で危機感をもって対策が模索されています。全医連でも全医連問題検討委員会で「医師国保の将来の在り方」の検討として委員だけでなく全国7ブロックから1名ずつのオブザーバーを加えての拡大委員会で討議が行われています。私も東北ブロックから指名され、先日2月15日に東京の第2回委員会に参加してきました。5月にもう一回開催されて答申が出る予定です。参考までにここでの討議内容を簡単に申し上げます。

まずは国庫補助金削減中止活動の強化ということで、国庫補助金削減阻止に向けて早急に国や関係機関に働きかけ、最低、協会けんぽ並みの16%とするための運動をやるべきだという声が強くあります。

次に組合員を医師及びその家族のみの組合に変更する。これは特に前期高齢者納付金負担がやはり従業員が多いと負担が強いので、それを分離すれば経営的に楽になるのではないかという話であります。

3つ目に合併です。大規模化による経営の安定化を目指すというもので、全国での合併或いは全国が難しければブロックごと或いは近隣の都道府県で合併するという話が出ております。

4つ目として全医連を一本の健保組合を設立する。現在、約30万人の被保険者数がいるわけですが、大規模組合として発言力が強化されるということです。

5つ目は全医連内に全体で負担する高額医療費共同事業を早急に作る。医師500人以下の弱小組合は全国には8つありますが、1,000人以下の組合もかなりあります。これらの弱小組合では超高額レセプトの影響が我々の組合のように非常に大きいです。まず差し当たって全医連全体で負担を共有するような高額レセプト共同事業を作ってはどうかという話です。それから、これを基にして合併、全国一本化を考えていけば良いというもので色々な案が出ております。

以上、現在組合運営は極めて困難な事態を迎えていますが、全医連としても危機感を共有し、盛んに対策を検討しています。何とか現状を打破したいという想いで全国の医師国保が取り組んでいます。結論が出るまでもう少し時間が必要です。

皆さんからも是非、今後の医師国保の在り方に関する忌憚のない積極的なご意見や提言を頂きたいと思っております。よろしくご理解とご協力をお願いいたします。(資料添付は省略)

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