ごあいさつ

令和元年7月27日開催 第127回通常組合会 理事長挨拶

理事長  大野 忠

 本日は、ご多用中のところ、遠方にかかわらず第127回組合会にご出席をいただき、誠にありがとうございます。
 去る6月8日、東北北海道ブロック協議会令和元年度定例協議会が秋田市で開催され、東北北海道ブロックの医師国保の役職員の方々、および宮城全医連会長、近藤副会長にご出席をいただき、本年3月に出されました全医連国保問題検討委員会答申への対応について各県から意見を求め検討し、また次期全医連役員のブロックからの推薦を決定する等、有意義な会を開催することができました。ここ秋田県での開催は、平成24年度以来の開催でした。
 さて5月1日より平成から令和へと年号が変わりましたが、平成30年度は全国的に超高額医療、組合員の減少(大学院学生を含む)、特定健診・特定保健指導受診率の伸び悩み等が問題として多く検討されました。
 当組合でも同じですが、平成30年度には超高額医療患者が減少したため、組合収支自体は改善しました。しかしこれからの令和の時代は平成時代と比較しますと、我々を取り巻く環境や課題はいつの間にか大きく変化しています。
 具体的に申し上げれば、新しい薬剤の出現や、医療技術の進歩に起因する、皆保険制度の崩壊につながりかねない超高額医療費解決手法をどうするか、特に小規模国保組合の場合、存続の可否にまで及ぶ問題であり、負担と給付の根本的な再検討に加え、超高額医療をどこが実施するのか、何らかの新たな制度を作るのかなど医療の在り方にまで影響する大きな問題と捉えるべきものと考えます。
  せんじ詰めれば今後の10年あるいは20年間に予想される団塊世代高齢者の増加とその数年後から始まる、高齢者の絶対数の減少と相対的比率の増加、若年者の継続的な絶対数の減少を伴う急激な人口減少(少子高齢化の進展)、それによる疾病構造の変化とAIを含めての医学・医療・介護の発展、これらに伴うこれまでとは桁違いに増加するであろうと思われる医療・介護費を誰がどう負担するのかという給付と負担の在り方と社会の次世代への影響の問題そのものです。
私には令和の時代は平成の時代とは別次元の困難な時代になるのではなかとさえ思われます。
さて当組合の現状を申し上げますと、6月30日現在の組合員被保険者数は1,872人で平成30年度に比較し、マイナス約2%であり、また、1件100万円以上の高額療養費については、平成22年度から発生し、8年間の保険者負担総額は3億7,500万円、療養給付費全体に占める割合は12.2%でした。またこの高額療養費のうちその43%、1億6,125万円を占めていたのはわずか5人の超高額患者で、その一人当たり平均額は3,225万円でした。
 このため、組合員の保険料賦課限度額を年間課税所得3,000万円から5,000万円へ引き上げ、さらに所得割保険料率を2.75%から3%へ上げざるを得なかったのですが、平成29年度からやっとこれら超高額医療の減少により落ち着きを見せ、平成30年度決算では約3億5,000万円の剰余金が発生する状況になりました。とはいえ、全国的には超高額医療はますます超高額化し、件数も増加する傾向であり、今後いろいろな薬剤が加速度的に増加する懸念もあります。
そのため今後の予期せぬ超高額療養費等、突発的な支出の発生時への対応のための保有財源の確保が当然必要でありますが、組合員負担も考慮しながら今後の運営を見据えた適切な保険料のあり方について継続的に検討していかなければならないだろうという、大きな課題を抱えております。
組合員減少問題についても本県では目立っており、昨年100万人を切った本県の人口は2040年度には60万人になるだろうといわれております。この全国最悪の人口減少は、少子高齢化を伴って、ボデイブロー的に今後秋田県全体に医療だけでなく政治や経済に厳しい影響を強めてくると思います。医師人口も偏在と減少が進み、医療機関の規模縮小、廃業、新規開業の減少、地域医療格差の進行等が表れてくるでしょうか。早急に地域医療改革、医師の働き方改革、AI、その他医療のデジタル革命等への対応が必要になるでしょう。
これら大きな変革の中に医師国保も巻き込まれます。具体的な課題や対応はこれからですが、未来対応のための課題の検討と対策が急がれなければならないと思います。
過日、県医師会会長の小玉先生、副会長伊藤先生とお会いする機会があり、県医師会に医師国保担当理事がおられても良いのではないかという認識を共有し、今後実現を検討していこうと話し合いました。
 なお最後に一つ付け加えたいのは平成30年度決算時点での特定健診受診率が52.2%、特定保健指導利用率は4.9%となっており、このままでは第3期特定検診等実施計画の目標率達成に不安が生じております。すでに健保組合など被用者保険では受診率が悪いと拠出金等への加算というペナルティが課せられておりますが、今後国保組合への拡大の可能性もあります。特に第一種医師組合員の受診率を上げることが大きな課題であり、長年の懸案事項となっています。しかも秋田が医師の健康状態が特に良いというわけではありません。
秋田県医師国保の2008(平成20)年から2018(平成30)年までの死亡開業医組合員101名についてのデータでは死亡時平均年齢は男性82.4歳、女性85.6歳で一般人口と大きな差はないことがわかりました。岐阜県保険医協会が2008(平成20)年から2017(平成29)年に死亡した開業医85人(医60人、歯25人)の寿命に関する調査結果を公表し、死亡時年齢は70.8歳(男77.7歳、女84.3歳)で、60歳代の死亡が34%で最多であり、「医師の平均寿命は10年短いのではないか」、「その背景には勤務医時代からの「過酷な労働」がある」との指摘(2019/3/22)をしております。
開業医の平均寿命が短いかどうかはもっとデータを積み重ねなければならないのですが、しかし、医師の健康管理に、医師会あるいは医師国保は特定健診、特定保健指導も含めてもっと関心を持つべきであるのは当然で、単に医師として自身が専門家だからと当人たちに任せておいていいというわけではなく、最新の知識の提供や、受診をしやすくするなど健康寿命の延伸のためには、より積極的な対策が必要であろうと思います。これも重要な検討課題です。
本日は平成30年度決算を中心にご審議をいただくわけですが、皆様から忌憚のないご意見をいただければと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

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