ごあいさつ

平成29年7月29日開催第123回通常組合会理事長挨拶

理事長  大野 忠

本日は猛暑の中、またご多用のところご出席を頂き有難うございました。
先週は記録的な豪雨に襲われ、雄物川が氾濫し、秋田県は大変な被害を受けましたが、皆様の地元はいかがでしたでしょうか。被害にあわれた方々には心からお見舞いを申し上げます。
去る6月18日、全医連の妹尾淑郎会長がご逝去されました。突然のことでしたが、5月の代表者会では入院中として欠席されておられました。昨年、全医連を一般社団法人化に格上げした功労者です。謹んでお悔みを申しあげます。
当組合としては弔電を差し上げ、東北ブロックとして供花を差し上げております。後任についてはまだ情報は入っておりません。
さて、昨年、今年と医療情勢には大きな変化が起きてきております。ご承知の事とは思いますが、2001年1月より始まった、いわゆる「骨太の方針」が着々と実行に移されております。「社会保障の効率化・適性化」の名目で毎年1兆円~8,000億円といわれる社会保障費の自然増を半減、すなわち年間約5,000億円の歳出削減が進められています。医療費は約10兆円で社会保障費の3割を占め、医療費1%下げますと約1,000億円の節約になりますが、消費税10%が先送りされたまま、2014年度診療報酬は薬価下げを含むものの実質マイナス1.26%、2015年度介護報酬マイナス2.27%、2016年度診療報酬マイナス1.32%で1,700億円削減が実行され、2017年度は1,400億円削減が予定されています。また2018年度は診療報酬と介護報酬の同時改定で薬や医療材料の価格引き下げなどで1,300億円が削減される予定です。
 その他以下のような取り組みを進めるよう方針が出されており、着々と実行に移されております。
1. 後発医薬品使用割合80%以上
2. 病床の機能分化・連携を推進
3. 医療・介護双方のデータを連結した分析や「見える化」を推進
4. 介護分野における地域包括ケア「見える化」システムの開発・活用
5. 人生の最終段階における医療の在り方検討
6. 民間の資金や知恵を活用する
7. エビデンスに基づく費用対効果を反映した薬価体系を構築
8. かかりつけ医の普及と外来受診回数の抑制
9. 企業の経営者と保険者が一体となって健康経営を推進
10. 都道府県等へのガバナンス改革
その他多くの政策が提言されており、これらに則って現在医療と介護の大改革が進行中なわけで、これにより医療費削減だけでなく、今後社会保障の実態が国民の目に「見える化」され、医療・医療費・介護費の地域差が減少し、医療の透明性と医療側の説明責任が大きくなることだろうと思います。同時に保険者努力も求められ、特定健診・保健指導の受診率の向上、データヘルス事業の推進、マイナンバーや全協共通システムの導入等の達成に保険者も努力せざるを得なくなっています。
当組合も遅れを取らないよう鋭意努力していますが、特定健診・保健指導に関してはとくに医師組合員の受診率が悪く、改善のためにかなりの努力を要するようです。何卒必要性をご理解いただきご協力を賜りたいと存じます。
 さて、本日の組合会の主要議題は平成28年度決算のご審議をお願いするものです。当医師国保の昨年度の状況は、歳出では保険給付費が2,217万円(6.7%)増の3億5,401万円、その他の額を加えた歳出合計では7.3%増の6億6,209万円でしたが、収入が昨年度保険料アップによる14.3%の収入増となるなど、前年度からの繰越金を除き5,471万円の単年度黒字になり、この結果1億3,501万円の決算残額(翌年度繰り越し)を計上することが出来ました。なお、これには保険料値上げとともに保険料値上げの元となりました27年度の超高額レセプトが28年度は通常の高額レセプト程度にとどまり、28年度決算に大きな影響を与えなかったことが大きかったと思われます。
しかし今年(平成29年)の3月、4月、5月分のレセプトには超高額案件が発生しており、財政状態は依然厳しく、今のところは何とか持ちそうですが、本年3月の第122回通常組合会でご決定いただいた来年、平成30年4月からの課税標準額限度額アップによる保険料改定は避けられないようです。
 保険料は保険の理念である収入の少ない人は少なく、多い人は多くを負担し助け合うという相互扶助、共済の考え方を基本としておりますので、何卒ご理解ご協力を頂きたくお願い申し上げます。
 さて、ここ2~3年当医師国保の経営に最も大きい影響を与えているのは28年度から始まった32%を13%とする補助金削減とオプジーボに代表される超高額薬剤費、或は人工心臓のような最先端の医療技術による超高額レセプト問題ですが、全医連においても2年前から国保問題検討委員会が開催され、今後の医師国保の在り方が議論されております。
それは補助金削減や高額レセプト発生がある限度を超えますと、特に中小組合は組合員が保険料負担に耐え切れなくなり、組合解散というような事態になりかねないからです。
28年度被保険者約3,000万人の健保連では、1件1,000万円以上の超高額レセプトは年間で361件発生し、年率約20%の割合で増加しているとのことです。これを被保険者数30万人の全医連に当てはめますと年間3.6件の発生率と言う事になりますが、20%の伸びですと5年で約2.6倍(9件)、10年で約6倍(22件)になります。また健保連の28年度の500万円以上の件数は、対前年度比426件増(8%増)の5,696件で過去最高となり、高額化傾向が続いているとのことです。これら1件500万、1,000万円以上と言っても中には1件で或いは年間一人の患者で合計3,000万円、5,000万円となるかもしれず、被保険者数の少ない中小組合にとっては非常に厳しいものになります。
また、もしオプジーボやキイトルーダの適用が胃がん、大腸がんその他に拡大したり、また既存の高額薬剤の適応拡大や新しい超高額薬剤や超高額技術の保険適用などによる超高額レセプトが発生したりすれば、件数も金額もあっという間に何倍かになる可能性があり、その増加スピードは脅威です。この点からもこれまでとは異なる全く新しい対策を考えなければならないのではないかと思われます。
 補助金削減に関しては、国保問題検討委員会では特に西日本方面から、「この復活、或は削減率の縮小を強く政治的に働きかけるべき」、「そもそも全医連を法人化したのも政治的に動くためだったのではないか」「日医と共闘して動くべき」等の主張が強く出されております。しかし政府が閣議決定し、事業が始まっておりますこの問題を撤回させる、或いは削減率を変更させるというようなことは極めて困難であるといわれており,見通しは悲観的です。
 その他の対策として問題検討委員会で出た意見には以下のようなものがあります。
1) 医師国保をブロック規模または全国規模に統合する
2) 全医連独自あるいは全協と一緒に、全組合員が平等に負担する上乗せ式の新たな高額医療費共同事業を作る
3) 医師及び家族のみの医師国保組合とする(職員は協会けんぽ或いは市町村国保に入る)
8月30日の全医連理事会に国保問題検討委員会からの答申が示される予定になっておりますが、皆さんの方からも今後の医師国保組合のあり方に関するご意見があれば、ぜひ私にお知らせいただければと思います。
もう一つ、本日ご協議をお願いする重要な問題に平成32年度に全医連代表者会・大会を秋田県が担当で開催するよう要請されていることがあります。全医連大会は全国を6ブロックに分け、持ち回りで毎年開催されているのですが、32年度は東北北海道ブロックの担当年であり、東北ブロック内でこれまで担当県となっていないのは秋田県だけで、北海道や宮城県は複数回開催しています。引き受けるとすれば準備に3年程度必要になりますので、本組合会でこの開催を引き受けていいかどうか忌憚のないご意見を頂き決定したいと思います。
いろいろ多難な時代ですが、執行部一同全力で努力しておりますので、何卒よろしくご指導ご支援をお願い申し上げます。

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