ご挨拶

理事長 福島 幸隆
理事長 福島 幸隆

第136回通常組合会 理事長挨拶
令和6年3月2日

本日は春とは名ばかりの吹雪の舞う荒れた天候の中、議員の皆様にはご多用のところご出席をいただきまして、誠にありがとうございました。今年の冬は、例年になく暖かく、除雪からほぼ解放された今までにない冬を過ごすことができました。しかし、その一方昨年の長く続いた酷暑が今年も再現されるのかと心配になります。
今年の元旦午後4時10分ごろ最大震度7、マグニチュード7.6の能登半島地震が発生しました。お正月で里帰りをしている最中の地震で亡くなった方もおられるようでした。2月29日現在石川県全体で死者数241人、避難者11,449人、家屋被害7万5,410棟という大きな被害が発生しました。いまだに道路復旧や断水の解消も道半ばで、過疎と高齢化の進む地域だけに、長期化する避難生活で災害関連死の増加が懸念されております。能登半島地震で被災された皆様には改めてお悔やみとお見舞いを申し上げます。被災地の状況が刻々と報道されて心配している最中の1月2日午後5時47分ごろ、羽田空港C滑走路上で、日航機と海上保安庁の航空機の衝突事故が起きて、海保乗員が5人亡くなりました。前日の能登半島地震の対応で、支援物質を新潟航空基地に搬送する予定であったとのことで、やりきれなさが残りました。今年は自然災害の少ない良い年でありますようにとの国民の願いをあざ笑うかのように、自然災害と人的災害が続き、今年も多事多難な1年になるのかと暗澹たる気分で年が明けました。
さて、昨年7月14.日からの県内記録的大雨は、県内特に県央、県北部に多大の被害をもたらしました。医療機関の被害も、広範囲に及びかつ深刻なものとなりました。秋田県災害対策本部のまとめによりますと、昨年12月26日現在浸水などの住宅被害は15市町村で7,039棟、このうち秋田市が5,792棟、五城目町は589棟に上りました。農林水産関係の被害額は138億4,003万5千円、河川、道路、橋梁等の土木施設被害は408件232億5,250万円に達しました。五城目町では1人が亡くなり、秋田市では1人が重傷、4人が軽傷を負いました。病院・診療所・歯科診療所で構成される医療施設の被害は合計79件、このうち秋田市が63件で約8割を占め、五城目町6件、男鹿市5件、潟上市3件、大仙市と八峰町が各1件となっております。秋田県医師会の7月と9月の被災者支援件数は秋田市医師会で69件、男鹿潟上南秋医師会で5件、秋田大学医師会で7件の計81件に上り、1,120万円の支援金が提供されております。特に被害の大きかった秋田市医師会においては、7月では総件数97件、うち支援金対象件数は84件、9月では7件、うち支援金対象件数は2件となり、総額1,930万円の支援金が支払われました。一方、当組合の7月及び9月の被災者支援状況は、第一種組合員37名、第二種組合員4名、第三種組合員3名、共済会員1名であり、第一種組合員と第二種組合員は保険料減免にて、第三種組合員と共済会員は災害見舞金にて対応いたしましたが、総額は833万2,800円となりました。本来であれば、7月の第137回通常組合会で決算報告として申し上げるのが妥当と思いますが、記録的大雨の全容が公表されましたので、この機会に述べさせていただきました。被災したほとんどの医療機関は復旧工事が終了し、診療を再開しましたが、秋田市で再建を断念し廃業に至った診療所が1件あったのは残念でありました。秋田市医師会を含め各郡市医師会の被災に対する調査と支援金支給は、迅速で賞賛に値すると思われます。また、郡市医師会の報告を基に、県医師会も速やかに支援金を振り込んでくれました。被災されて、途方に暮れた医療機関にとって「また頑張ろう」と思わせる一筋の明かりになったものと思います。郡市医師会や県医師会に比べ、当医師国保組合の対応は遅くなり、誠に申し訳なく存じております。被災されました医療機関の皆様には、改めてお見舞いを申し上げます。
本日の組合会は令和6年度予算認定を中心にご審議をいただく予定となっております。この後、担当役員から概要について説明させて頂きますが、令和4年度の歳入歳出決算において6億5,631万円の黒字を計上し、収支は安定しております。しかし、高齢者の医療費や介護需要の増加が避けられない状況にあることを踏まえ、令和3年度医師国保問題検討委員会の答申に従って、後期高齢者支援金分保険料と介護分保険料を引き上げざるを得ないと判断し、保険料引上げについてお諮りいたしますので、ご審議の程よろしくお願い申し上げます。
次に、昨年7月の第135回通常組合会で令和8年度に開催予定の全医連全体協議会を当医師国保組合が担当する件についてお諮りしましたところ、議員の皆様には全員ご賛同いただき、誠にありがとうございました。その後、早速今年度全医連東北北海道ブロック連絡協議会の当番県であります岩手県医師国保組合と東北北海道ブロック医師国保組合に対し、承諾する旨の報告をいたしました。全医連全体協議会は令和8年10月10日(土)の開催予定とし、鋭意準備を進めて参ります。
さて、深刻な人手不足と言われて久しくなります。我々医療業界にあっても、病院にあっては慢性的な医師不足のため、病床減少や病棟閉鎖、外来担当科の縮小等が進行しております。また、診療所においては慢性的な看護師不足に加えて最近では医療事務職も求職者が少なく採用できない状況にあるようです。このような状況では、満足な医療活動が行えません。県調査統計課は本年1月1日の県人口を90万9,501人と発表し、23年は1年間で県人口が1万6,432人も減少し、過去10年では最多となり、県人口は91万人を割り込んでしまいました。国立社会保障・人口問題研究所(社人研)は昨年12月22日、2050年の本県人口が56万429人となり、20年と比べた減少率が全国最大の41.6%(39万9,073人減)に上るとする推計を発表しました。65歳以上の高齢化率は49.9%で全国最高なのに対し、生産年齢人口(15~64歳)は43.2%で全国最低であり、本県の人口減少と少子高齢化が一層進むとの予測が示されました。人口減少の影響は行政サービスの縮小につながり、公立学校の統廃合、令和6年度からの二次医療圏再編という形で現実となって現れています。個人的にも、ひいきにしていた衣料品店舗の撤退や近くにあった郵便ポストの撤去、バス路線廃止に伴う診療所前の停留所の撤去、タクシーが簡単に拾えない等何かと生活に支障が生じ、閉塞感が強まっております。
人口減少の動きと軌を一にして、当医師国保組合の年間平均被保険者数も減少し続けております。2014年度には2,080人であった被保険者数は年ごとに減少しており、2023年度は本年1月末までの10か月の平均は1,484人であり、この10年間で596人の減少で、ついに1500人を割り込んでしまいました。毎年約60人の減少が続いたことになります。このことは全国医師国保組合も同様で、2015年度は315,125人であった被保険者数は2022年度には272,728人となり、8年間で42,397人減であり、年間約5,300人の減少となっております。歳入は保険料と国庫補助が主たる原資となっているため、被保険者の減少は確実に減収に直結し、影響は甚大です。被保険者数の減少は、超高額薬剤による高額医療費問題と共に医師国保組合の大きな課題となっております。
昨年の通常組合会でも申し上げましたが、「解散」を避ける手段として「合併・統合」の案が浮上し、一昨年7月の中国・四国地区4組合における統合・合併シミュレーションが起点となり、その後中国四国ブロック全9組合、北関東3組合でも統合・合併シミュレーションが行われました。全医連では、令和4年度版「医師国保組合の将来に関するアンケート」を行った結果、39組合が統合・合併シミュレーションへの参画を表明しました。これを受け、全医連の近藤会長は昨年4月14日開催の第3回理事会において、統合シミュレーションの実施に向けた事務局プロジェクトチームの立ち上げを提案し、了承されました。当医師国保組合の戸田事務長もチームのメンバーとなって協議に参加しておりましたが、昨年10月に北海道、宮城県、山形県、福島県、東京都、神奈川県、千葉県、大阪府、広島県の9都道府県を除く38組合の令和5年度版組織再編成に伴う統合シミュレーションのレポートが完成し、10月25日に近藤会長に報告されました。
それによりますと、1)被保険者数は令和4年度末の16万4,457人から5年後の令和9年度末で14万3,078人となり、2万1,379人の減少、13%の減少となります。医師だけに限ると17.38%の減少との予想です。2)しかし、統合しますと被保険者数が16万人強、予算規模が560億円強となり、高額医療等のリスクの軽減と安定した運営が見込まれます。3)保険料は、「医師世帯」においては、他制度と比較してすべての世帯構成で安価な保険料の設定が可能となり、現行の各組合の保険料が低額となる結果となりました。ちなみに、医師3人世帯(本人50歳・妻50歳・子供18歳)で総所得金額が4,200万円と仮定しますと、秋田県の保険料は1,618,416円ですが、統合後は960,000円となり658,416円の削減効果が得られます。しかし、従業員世帯では、3分の2程度の組合が現在より高額となります。当県においても、高額になります。従業員3人世帯(本人45歳・子供18歳と16歳)の場合、486,000円の保険料が74,400円増の560,400円となります。これは、医療費分保険料が第二種組合員本人の場合月額で1,700円、家族で3,000円増加するためであります。4)支部の裁量としては、現在の各組合独自の保険事業等の取組み、積立金の管理を継続して行うことができる仕組みを構築するとしています。統合により、5)総務費の削減が可能となり、6)職員も減らすことが出来ますが、7)大規模なシステム改修等が必要になるとのことでした。今回のシミュレーションでは、全国歯科医師国保組合の統合方式を参考に、参画各組合を支部とし、支部の機能と裁量を最大限発揮できる形態を検討しております。結論的に申し上げますと、今回参加した38組合での統合は確実にスケールメリットが発揮されるとのことでした。ちなみに、参考にされた歯科医師国保組合は、現在20府県で構成される全国歯科医師国保組合と26組合で構成される各道府県歯科医師国保組合があり、秋田県歯科医師国保組合は後者に属します。東京都は、東京都歯科健康保険組合で社保に属し、歯科医師国保には含まれません。歯科医師国保の合併は、1974年4月1日岡山・鳥取・山口・島根の4組合が合併して中国歯科医師国保組合を形成し、これが母体となり1978年4月1日さらに11組合が参画して全国歯科医師国保組合となりました。今回の医師国保組合の最初の合併シミュレーションが岡山・鳥取・島根・徳島県で実施されたことは、なにやら因縁めいたものを感じさせます。いずれにしろ、これだけ急速な人口減少は被保険者数を減少させ、当然保険料収入は減少し、国保組合の経営状況は悪化するばかりです。こうした状況の中で、突然超高額医療費の発生があった時の事を考えれば、我々に残された方策は合併・統合しかないと思われます。当組合では平成22年度から29年度まで超高額医療費が発生し、その間保険料は平成23年度から平成29年度まで6回引き上げており、特に平成27年度は4月と10月に2度引上げを実施しております。組合員の皆様のご理解のもと、保険料を増額出来たおかげで特別積立金、給付費等支払準備金と繰越金の資産総額は潤沢で、統合時に積立金等の支払い後の支部残余財産見込額は当組合の1人当たりの保有額は592,382円となり全国1位となります。そのため、現時点で超高額医療費の発生があったとしてもしばらくは保険料の増額なしで経営に支障はないと考えておりますが、以上のような状況を踏まえ、医師国保組合の合併・統合には諸手を挙げての賛成で、統合・合併に向けた動きには積極的に関わって行きたいと考えております。
以上、昨年7月・9月の県内記録的大雨被害と支援状況そして全医連の取り組みを主体にご報告いたしました。国内の人口減少による閉塞感の漂う中、医師国保にとっても先の見えない状況にありますが、38組合による医師国保組合統合のシミュレーションが実施されたことは、我々に大きな明るい道標を立ててくれたものと捉えております。歯科医師国保組合と違い、医師国保組合統合のシナリオはまだ出来ておらず、まだバーチャルの域を出ませんが、当医師国保組合は実現化への協力は惜しまない覚悟であります。今後とも、執行部一丸となって医師国保組合の順調な運営のために尽力して参りますので、引き続き皆様のご支援ご鞭撻をお願い申し上げて、理事長挨拶とさせていただきます。ありがとうございました。

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